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ECE22-06とは何か?新しいバイク用ヘルメット規格の仕組みとECE22-05からの主な変更点

公開日:2026年2月7日
執筆者:ダイネーゼAGVジャパン編集部

19年間続いた旧ECE22-05規格が改定されました。

ECE22-06は2021年1月1日に施行されましたが、ECE22-05ヘルメットも引き続き使用できます。

新規格では、衝撃試験の対象ポイント数と試験速度の種類が増加しています。

バイザーに対する耐貫通試験が初めて実施されます。

FIMレーシング規格と同様に、回転を伴う衝撃時の保護性能も評価されます。

2021年1月1日より、ヨーロッパおよび本規格を採用するすべての国において、新しいバイク用ヘルメットの認証基準が施行されています。19年間にわたり有効だったECE22-05に代わり、ECE22-06は基準を刷新し、市場で販売されるヘルメットに求められる安全性レベルを引き上げました。

新ECE22-06の施行時期と適用範囲

なお、ECE22-05規格自体は現在も有効です。2023年6月までは、メーカーはECE22-05に基づく認証ヘルメットを製造することができました。
2023年7月1日以降、ECE22-05規格に準拠したヘルメットの製造は認められていませんが、それ以前に生産された在庫については、引き続き販売が可能です。
ヘルメットに使用期限はありません。現在の2025年においても、ECE22-05ヘルメットは通常どおり公道で使用できます。

衝撃試験のポイント

ECE22-06は明確な進化を遂げています。より厳格で精密な一連の試験によって、はるかに高い保護レベルが求められます。
従来のECE22-05では、ヘルメットシェル上の5か所でアンビルへの衝撃試験が行われていました。評価対象は、前部、上部、後部、側面、そしてチンガードです。

ECE22-06では、フルフェイスモデルのチンガードを含め、最大18か所で試験が行われます。つまり、評価されるどの部位においても有効な保護性能を確保しなければなりません。
衝撃試験は、ヘルメットに当たる物体の形状に応じて異なり、平坦な物体だけでなく、段差状やバー状のものも用いられます。

続いて、バイザーの耐貫通試験が実施されます。直径6mmのスチールボールを80m/sでバイザーに向けて発射します。
バイザーはボールの貫通を防がなければならず、破損した場合でも粉々に砕けてはなりません。

異なる衝撃速度

当然のことのように思えるかもしれませんが、ヘルメットは最も激しい衝撃だけでなく、より高速な衝撃や軽度な衝撃からも頭部を保護する必要があります。
ここでいくつかの概念を整理しておきましょう。非常に剛性の高いヘルメットは、高速衝突に対して高い保護性能を発揮する可能性がありますが、軽度の衝撃では必ずしも安全とは限りません。過度な剛性により、衝撃エネルギーを十分に吸収・分散できず、その力が直接頭部に伝わってしまうためです。
そのため、新しいヘルメットには、低速から高速まで適切な保護を両立できるさらなる開発が求められています。

ECE22-05では、衝撃速度は7.5m/s(約28km/h)という1種類のみが想定されていました。
ECE22-06では、6m/s、7.5m/s、8.2m/sの3段階で評価が行われ、より包括的かつ正確な試験が実施されます。

視野

前面開口部およびバイザーによって確保される視野の広さが評価され、視界の幅は一定の基準を下回ってはなりません。
さらに新しい認証では、これまでのバイザーだけでなく、サンバイザーについても、視覚歪み、耐擦傷性、光の屈折レベルに関する試験が求められます。

AGV Ultravision

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回転加速度とは何か

全く新しい要素として、斜め方向からの衝撃評価が導入されました。これは、頭部が垂直ではない角度で物体に衝突するすべてのケースを指します。
最新の業界研究によると、こうした衝撃こそが、頭部に強い回転(回転加速度)を与えることで、最も深刻な脳損傷を引き起こすとされています。

この種の衝撃は、加速度センサーや角速度センサーを用いた、従来よりも高度な計測システムによって評価できるようになりました。

モジュラーヘルメットとP/J認証

P/J認証はモジュラーヘルメットに関するものです。Pはフルフェイスを示す「Protective」、Jはジェット型(オープンフェイス)を示します。
これらの表記は、P/J認証を受けたヘルメットが、開いた状態でも閉じた状態でも使用できることを意味します。ECE22-06では、この基準を満たすための試験内容も、より厳密に規定されています。

P/J認証を取得するためには、フルフェイス用試験およびオープンフェイス用試験のそれぞれにおいて、ヘルメットが閉状態・開状態を保持できなければなりません。
言うまでもなく、基準を満たすには両方の試験に合格する必要があります。

通信システムおよびその他のアクセサリー

新規格では、ヘルメットに装着される通信システムやその他のアクセサリーは、外付け・内蔵を問わず、ヘルメット本体と一体で認証されていなければなりません。
これは、装着先のヘルメットモデルとともに検証されていないインカムシステムが認められなくなることを意味します。ECE22-06のみが有効な認証となった場合、通信システムやその他のアフターマーケットアクセサリーの装着には、ヘルメットメーカーによる承認が必要となり、認証時に指定されたアクセサリー一覧に基づいて判断されます。

新しいECE22-06規格は、約20年にわたり使用されてきた従来基準を確実に進化させたものです。
より厳格で多様、かつ精密な試験が導入され、すべてのライダーに提供される安全性の向上が図られています。

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ダイネーゼAGVジャパン編集部

ダイネーゼAGVジャパン編集部は、イタリア発のモーターサイクルウェアブランド「Dainese(ダイネーゼ)」およびヘルメットブランド「AGV(エージーブイ)」の日本正規輸入元として、製品情報・アスリートのインタビュー・ブランドの今を発信する編集チーム。 ビギナーからエキスパートまで、ライダーの安全性を最優先にした情報提供を行っています。

2026年2月7日公開
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